インタビュー

2014.05.30. UPDATE

P&Gジャパン

P&Gジャパン

Company Profile

化粧品、ヘアケア製品や洗剤など多彩なブランドを有し、185カ国以上で事業を展開する世界最大の消費財メーカー。1973年に日本へ進出し、革新的な製品を届けている

言い訳せずに、何が何でも結果を出す
その覚悟が不可能を可能に変える

黒木昭彦氏

執行役員
マーケティング担当

黒木昭彦氏

東京大学物理工学科卒。日本IBMに勤務後、MBA留学を経て、P&Gに入社。子ども用紙おむつブランド『パンパース』のマーケティングを日本、韓国、米国本社で担当する他、洗濯関連事業などのマーケティング部門の要職を歴任。現在は執行役員として、ハウス・ホールド・ケア・カテゴリーの責任者

起死回生の一打で、数々のブランドの危機を救ってきたP&Gジャパンの黒木昭彦氏は、明確なプロフェッショナル像を持っている。それは、「結果を出す」ことをとことん追求できる人である。
「いわゆる頭の良い人は、結果が出なかった理由を分析するのが得意で、だから自分には戦略的思考があると勘違いしている。でも、結果が出ない理由など、いくつでも挙げることができます。それはただの言い訳に過ぎません」
不可能と思えることでも、どんな困難があろうと、言い訳抜きで結果を出すことに集中し、必要なことは全てやる。プロフェッショナルとは、それを体現する人だ。

モチベーションの源泉は
数値目標ではなく心のゴール

プロフェッショナルであるために必要なのは、徹底した準備だ。
「僕はフルマラソンを年8本くらい走っていますが、マラソンとビジネスは似ています。どちらも運良く結果が出ることはない。20キロメートル程度なら調子の良さで乗り切れても、あれだけの長距離になると、絶対にトレーニング通りの結果しか出ないんです」
だからこそ、最悪の事態を想定した準備が重要になる。レース当日に風雨に苦しめられる可能性が少しでもあるならば、あえてコンディションの悪い日に練習することで備えればいい。ビジネスも同じで、消費者のニーズが変化したり、競合が新施策を仕掛けてくることは十分あり得る。最悪のケースにも対応できるよう、先を読んでプランを立て、準備しておくことが重要なのだ。
一方で、目先の勝負に一喜一憂する必要はない。10キロメートル地点で勝っていても、最初にゴールできるとは限らない。逆に20キロメートル地点で負けていても、残りの距離で挽回できる。
「マラソンと同様、ビジネスも長期戦です。特に我々のビジネスはブランドを育てるもの。1カ月や1年で勝負は決まらない。今負けても諦める必要はないし、諦めてはいけないんです」
全ての勝負に勝つために全力を尽くす。しかし、どれだけ準備をしても、全て勝つことは難しい。結果的に失敗に終わっても、そこから何を学び、次にどう活かすかを考えることが大切なのだ。
加えて、重要なもの。それは「心のゴール」だ。売上やシェアなどの目標が「頭のゴール」ならば、個人的なモチベーションの源泉となるのが「心のゴール」だ。
「命が尽きる前に人生を振り返り、『○年に売上○%達成した』と思い出す人はいないでしょう。人は数字よりも自分の気持ち、自分が成し遂げたいと思った心のゴールの方が大切なんです。それがなければ、本当に苦しいときに持ちこたえられないと思います」
黒木氏自身「最もしんどかった時期」と振り返るのが、米国本社で、紙おむつ『ラブス』のブランドマネジャーを務めた時だ。当時、売上が半減する危機にあり、その再生を託された彼は日本からメガブランドのマネジャーとして招聘された最初の例だった。
「業績を回復するという頭のゴールより重要だったのは、自分が失敗したら、今後日本からアメリカ本社へ抜てきされる人が居なくなるかもしれないということ。自分が成功を収めれば、今後日本からグローバルリーダーを輩出することができる。この個人的な心のゴールが支えになったんです」

成功は伝染する
まずは“勝利”を覚えること

結果を出すことの重要性をこれほど強調するのは、それが成長を加速するからにほかならない。
「僕自身、そうやって鍛えられてきた。入社初日から上司に“No Excuse(言い訳はしない)”と言われました。でも、実はその前のインターン時代、テストマーケットにしくじって中断することになったんです。それでも僕が採用されたのは、失敗から学ぶ姿勢と次への可能性を認めてもらえたからでしょう。子どもにとって親が最も厳しく、最も優しい存在であるように、人を育てるにはその両方を兼ね備えていることが大切です。P&Gは基本的に、人を育てるのが大好きなんです」
まずは「勝つことを覚える」のが大切だと黒木氏は言う。「勝ち癖」という言葉の通り、勝つことは習慣である。勝ちを積み重ねれば、おのずと勝ち方も身に付く。小さくても成功することが重要だ。
「成功は伝染します。成功事例を見た人は、自分だってできるのではないかと思うようになる。僕が米国本社に異動した後、優秀な人材が続々と日本から抜てきされたのもその一つです」
同社では成功を得るために、入社1年目から責任ある仕事を与えると同時に、日々、上司や先輩からのコーチングを受けることができる。また、全社的トレーニングと各部門特有のトレーニングが提供されており、スキルアップの機会は非常に多い。これらが有機的につながって、ビジネスの面でも良い結果をもたらしているのだ。
今年のインターンシップでは、社員向けのトレーニング要素を織り交ぜながら、プロフェッショナルの仕事を疑似体験するプログラムを予定している。4人程度のチームで具体的なビジネス課題に取り組み、コンペ形式でプレゼンテーションを行う。さまざまな職種の社員からフィードバックを受ける中で、結果を出す厳しさと、人を育てようとする温かさを肌で感じることができるはずだ。

プロフェッショナルになる準備

成長を早めるために持つべきマインドは?

●何があろうと勝つという確固たる自信

ビジネスに運はありません。準備した以上の結果は出ない。それを理解し、物事に臨めば万全の備えができます。その時初めて「何が起ころうが勝つことができる」という自信が生まれる。自信が持てるまで努力すること。それを続けることで人は大きく成長します

●絶対に諦めない不屈の精神

長期戦を戦い抜く、諦めない気持ちを持ってください。目先の勝負に負けたとしても、その経験から何かを学び、次のチャレンジに活かしていくことが大切です。そうして最後に勝てばいい。勝つまで諦めずに続けていけば、必ず勝利で終わるのですから

●自分自身を奮起させる強い意志

困難にぶつかったとき、支えになるのは自分の思い。他者から課せられた数値目標やミッションなどの「頭のゴール」と同時に、個人的な「心のゴール」を持ってください。何のためにこれを成し遂げたいのか。思いの強さが、頑張り切れるかの分かれ目になります

プロフェッショナルになる準備

新入社員には、プロフェッショナルになるためのマインドセットを黒木氏自らが伝えている。失敗を恐れず、結果を出すために挑戦する重要性を入社1日目から教えられる

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