インタビュー

2014.12.01. UPDATE

双日株式会社

周囲の人のために
自分は何ができるかを
考え続けたい

平井 龍太郎氏

執行役員
秘書、人事総務担当

平井 龍太郎氏

1958年、福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業。82年、日商岩井(現・双日)入社。大阪化工機部第一課に配属され、機械プラントの輸出を担当。93年より、中国・北京に駐在、中国人を部下に持ちマネジメントを行う。2000年、秘書室秘書課長、社長秘書を務める。03年、日商岩井米国会社経営企画ゼネラルマネージャーに就任。07年よりロサンゼルス支店長兼任。09年、人事総務部長。13年、執行役員(人事総務担当)兼人事総務部長。14年4月より現職

私の人生観を決定付けたのは、中学時代の担任に言われた一言でした。当時の私は自分の成績を上げることしか考えず、勉強ばかりしていたのですが、そんな私に先生は「本当の優等生とはどんな人間か分かるか? 周囲に影響を与えながら、皆と一緒に伸びていく人間のことなんだぞ」と言ったのです。14歳だった私は、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。そして初めて、周囲の人たちに目を向けたのです。クラスメイトといろんな話をし、家庭に何らかの事情を抱えている人や経済的に恵まれない人など、さまざまな立場や環境に置かれた人がいることを知りました。あの時先生は、私に「リーダーシップとは何か」を教えてくれたのでしょう。「周囲のためにできることはないかと考えられる人こそが、本当に優れた人間だ」と。これが私の原点になっています。商社に就職してからも、「組織や会社全体のためにできることはないか」と常に考えてきました。まだ新米のころ、「この仕事は確かに利益は出ますが、会社のためになるのでしょうか」などと言い、上司には「余計なことを考えずに目の前の仕事をしろ」と怒られたものです。その後、10年経って初めて海外に駐在し、部下を持つようになった時、私の視点は間違っていなかったと確信しました。衝突を繰り返しながらも言葉や文化の壁を越えて、チームで働くことの面白さ、皆で成長しながら組織の目標を達成する喜びとやりがいを心から感じることができたのです。

広い視野と長い時間軸で
物事を見るのが習慣

小さいころから地球儀と歴史年表を眺めるのが大好きで、見知らぬ国への憧れが強かった私が就職先に商社を選んだのはある意味で必然だったと思います。歴史年表や小説を読みふけっていると、気の遠くなるような時の流れを感じることが多く、自然と長い時間軸で物事を見る習慣がついたようです。取引先や上司、部下、仲間との良い関係は一朝一夕になしえません。誠実な気持ちを持って、正直に人と接すれば、たとえ相性が悪くてもいつかは必ず分かりあえる。どんな仕事でも成果が見えてくるまでには時間がかかるけれど、粘り強く取り組めば、いずれ結果に結びつく。そう信じて今まで努力を続けてきました。若い皆さんにもそんな気持ちを持って働いて欲しいと思います。

挑戦と失敗を繰り返せる
環境で若手を育てたい

偉そうなことを言ってきましたが、私は失敗も多い人間です。10回に8回は失敗してるかな(笑)。今でも覚えているのは、30 歳のころ、中国にある当社の食料部門の取引先に冷凍プラントをリースするビジネスを手掛けた時のこと。私が発案し、契約書を交わしたのですが、その後に機械に小さな欠陥があることが判り、設備の返品を主張されたのです。本来なら、パフォーマンスが上がらない分の値引きで済むはずが、契約上の詰めが甘く、返品されても仕方のない内容になっていました。焦った私は取引先に乗り込み説得を試みましたが、中国語が完璧でなく、言葉遣いも失礼だったのでしょう。「双日の話は聞くが、平井の話は聞きたくない」と担当を外されました。
会社に損失を与え、自らの力不足を大いに悔やみました。しかし落ち込んでばかりいられません。何とかこの経験を次に生かせないか考え抜いた末、この案件のスキームを違う分野に応用することを提案。これが見事に成功し、最初の損失を上回る利益を生むことができました。
大きな失敗をしたばかりの私の提案に耳を傾け、「やってみるか」と上司が背中を押してくれたからこそ、この成功が生まれたのだと思います。若いうちに思い切り失敗させてもらい、それを糧に新たな挑戦のチャンスも与えてもらえた。そんな風土が私の成長を促してくれました。だからこそ、人事総務担当の役員になった今、今度は私が若い人たちに、どんどん新しい挑戦をし、どんどん失敗できる環境や機会を与えていきたいと考えています。失敗を恐れず外へ飛び出し、新興国をはじめとした海外で新しいビジネスを創造できる人材を育てたい。そのために私ができるのは、社員一人一人に目を向け、相手を思いやること。それが組織を動かすリーダーの使命だと信じています。

双日

双日

2004年に日商岩井株式会社とニチメン株式会社が合併して誕生した双日。「機械」「エネルギー・金属」「化学」「生活産業」の4つの事業部門と、国内117社・海外322社(14年3月31日現在)の関連会社を持ち、各部門と海外拠点が一体となった多角的な営業戦略を展開している。近年では、太陽光発電や関連事業者向けの保険、インドの鉄道事業やブラジルの穀物事業、農業法人の設立など、時代のニーズに合った新たなビジネスを次々に推進し、企業価値を高めると同時に事業拡大に注力し続けている

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