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インタビュー

UPDATE 2014.11.28

デロイト トーマツ コンサルティングが目指す新しい地平“日本を変えていく”コンサルティングの力

グローバルという言葉が当たり前になり、多様化・複雑化の一途をたどる環境下で、日本企業は従来のビジネスモデルでは対応し切れないさまざまな課題に直面している。その中で、デロイト トーマツ コンサルティングが取り組むのが「社会・産業アジェンダ」である。日本企業が持つ問題や危機の根本的な解決を見据え、社会や産業に向けて新しい提言を行っていく。その壮大なプロジェクトの目的、そして意義とは?

取材・文/朝倉真弓、塚田有香 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)

代表取締役社長

近藤 聡氏

Akira Kondo

1988年に早稲田大学商学部を卒業後、等松・トウシュ ロス コンサルティングに入社。93年にトーマツ コンサルティング(現・デロイト トーマツ コンサルティング)に転籍。自動車業界を中心に、企業戦略、オペレーション改革、海外展開戦略の策定・実行支援など、クロスボーダーを含むプロジェクトを数多く推進する。2010年10月に代表取締役社長に就任。14年9月からデロイト コンサルティング アジア・パシフィック 地域代表も兼任

企業を取り巻く環境が凄まじいスピードで変化する昨今、多くの企業が新規事業を生み出すための“種”を見つけられず、ダイナミックなイノベーションを生み出すには至っていない。
その中で、世界で活躍する日系企業などに対して戦略策定から遂行までを支援する、多種多様なコンサルティングサービスを提供してきたデロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)は、「社会・産業アジェンダ」への取り組みを強化している。これは個別のクライアントから依頼を受けるだけではなく、社会課題の解決を通じて産業の枠組み自体を変えていくことで、今までにないコンサルティングの機会を創出していく取り組みである。世界へ目を向けると水不足や貧困、高齢化など、深刻な社会課題が山積している。そのような俯瞰的な視点から問題を把握し、解決する道筋を立て、より良い社会づくりに貢献しながら新たな産業を創造する。そんな過去に例のない取り組みに注力する理由を、DTC代表取締役社長の近藤聡氏はこう話す。
「これまで日本企業は、既存商品のマーケットの中で競争を繰り広げてきました。しかし、新興国の台頭などにより製品ライフサイクルは極端に短くなっており、従来のプロセスでは生き残れないのではないかという悩みを抱えています。その中で“イノベーション”は一つのキーワードでしょう。しかし、企業もイノベーションを生み出す重要性は理解しているものの、実際にどうすればいいのか分からない。新しいものを生み出すということが難しい状況に、日本の多くの企業は陥っているのです」

社会に資するコンサルティングと
新たな産業創出

限られた既存のマーケットの中で戦うのではなく、新しい産業を創っていくという発想だ。例えばDTCが現在手掛ける案件に「水素社会の創出」がある。もともとは、ある自動車会社から水素を動力とする燃料電池車の販売戦略について相談されたのがきっかけだったが、そのためには、そもそも水素というエネルギーを流通させる仕組みがなければいけない。水素に関する法整備の必要性もある。つまりは前提として社会全体のイノベーションを実現させなければどうしようもないという考えに至った。
「日本が発展していくには、新しい産業、そして社会の枠組みを創っていかなければならない。そんな思いで我々は、社会や産業に向けてさまざまな提言を行う組織を立ち上げました。それも、単にスローガンを掲げるだけではなく、実際に政官も巻き込み、実現に向けて具体的な行動に移す組織です。水素に関して言えば、すでにDTCと国会議員や企業、そして関係省庁も加わって将来のあるべき姿を議論していたりします。その成果の一端が、先般発表された政府のエネルギー基本計画において『“水素社会”の実現に向けた取り組みの加速』として盛り込まれました。国の政策への落とし込みは、組織的な活動基盤なくして実現できなかったと思います」
近藤氏によれば、日本企業が自身でイノベーションを起こせない理由の一つに、「外部とのネットワークの希薄さ」があるという。例えば環境問題に関するイノベーション開発に取り組むのであれば、諸問題に精通しているNPOやNGOとの連携が欠かせないし、海外の優れた技術との接点も必要となる。だが日本企業の多くは、業界や国という枠の外に目を向けていない。国家や形態にとらわれず、個別の企業や団体を結び付け、さらにそこから複合的、ネットワーク的に対応できるのはDTCならではの強みであるという。そしてそのような取り組みを通じて、初めてイノベーティブな枠組みが見えてくるのだ。
しかし、この枠組みづくりをしている間は、DTCはどこからも対価を得ることはない。先ほどの例なら、水素社会が実現し、そこから生まれるであろう新たな産業、新たなサービスへ参入していく企業がDTCの新たなクライアントになると考えている。そして、DTCがその枠組みを創ることで蓄積された知見は、大きな武器となるのである。
すぐには売り上げにつながらない事業に投資することは、一見リスクのように思える。だが、「日本が発展するには新しい産業を創らなければならない。そこに投資することでDTCも変わっていく必要がある」と近藤氏は語る。
「日本という国全体を強くしなければという思いが我々にはある。この社会・産業アジェンダに取り組む意義を理解し、価値観を共有するカルチャー。イノベーションを実現するためのノウハウや実行力。我々と同じことができるファームは、他にそうないはずです」

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